小説酒場放浪〜渋谷・鳥竹総本店~
記憶の迷路「百軒店」
渋谷。18:00。
東急百貨店を目指すのに、間違えて道玄坂を登り、
このあたりはやけに懐かしい。
Bunkamuraのシアターコクーンで明石家さんまの舞台を観
そんなまばらな記憶の断片が浮き沈みする界隈を不思議な感覚で歩きながら、
啓文堂書店では担当の方が不在、
この本を片手に啓文堂書店から徒歩10秒、昭和38年創業の「
ほの暗く昭和ニヒルな空間「鳥竹総本店」
扉を開けると逆くの字になっているカウンターで、
一番奥のカウンター席についた。
見上げるとずらり手書きのメニューが貼ってあり、いやがうえにも期待が高まる。
値段が書いてないのが少しく不安になるが、卓上に詳細メニューがあるのでひと安心。
三岳の水割り
首肉
ぼんぼち
煮込み
を注文し、早速「記憶の盆をどり」の扉を開く。
盆をどる
その日本語の豊かさと自在さによって、
賑やかな客の笑い声が聞こえる2階に対して1階は静か気ままに酒肴
そんなニヒルな空間で読むのにぴったりの「エゲバムヤジ」。
三岳の水割りがくる。
その名のとおり、野趣あふれる芳香が口の中に広がる。
首肉、ぼんぼち。
おしりフリフリさせながらせわしなく歩くさまが目に浮かんでしまう、その締まりのある弾力を塩で味わう。
単品でライスをたのもうかと迷うほど、
いい空間。いい酒肴。いい小説。
久々の渋谷で迷い込んだ百軒店でひとり、